「不快な思い」とは何か 日本マクドナルドの対応から考えるメディアと差別の関係(wezzy掲載記事)

12月5日に、日本マクドナルドの公式 Twitter で紹介されたキャンペーン動画が、三日という短期間で公開が取りやめとなった。

この動画は、登場する男性(怪盗ナゲッツ)があるゲームに負け、罰ゲームとして他の男性(カズレーザー)から頰にキスをされるというものだ。男性は後ろから別の登場人物(安藤なつ)に羽交い締めにされ、不快感を全面に表現しながら罰ゲームを受ける。それが同性愛者に対して差別的であるという指摘が多数 SNS に投稿され、日本マクドナルドは8日、「お客様にご不快な思いをさせ、深くお詫び申し上げます」というおきまりのフレーズを残し、動画を非公開にした。

これにて一件落着……なのだろうか?

あるコンテンツが差別的な要素を持っている、それに対して批判の声が集まる、そしてそのコンテンツが削除される……その後私たちに残るのは、いつだって「不快な思いをさせてしまい申し訳ありません」という言葉だけだ。差別に抗うマイノリティや支援者の多くが、この言葉の空虚さを身をもって知っている。

この空虚さを作り出しているのは、コンテンツが人の目に触れること自体を止めさせようとする一部の抗議者の思惑と、抗議の内容を吟味せず苦情処理の一環としてしか対応しないコンテンツ責任者の事なかれ主義だ。

ある日突然批判騒動が起き、コンテンツの削除で事態が収束する。そして昨日までと何ら変わらない風景が戻って来る。差別は温存され、誰も何も学ばずに、また新しいコンテンツが作られる。次はどんなお客様が“ご不快な思い”をさせられるだろうか?

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