昨日4月27日、自由民主党政務調査会および性的指向・性自認に関する特命委員会が、「性的指向・性自認の多様なあり方を受容する社会を目指すためのわが党の基本的な考え方」として2つのPDF文書を公開しました。
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【全文】現代思想2015年10月号掲載『排除と忘却に支えられたグロテスクな世間体政治としての米国主流「LGBT運動」と同性婚推進運動の欺瞞』
同性愛者権利運動にとって、あるいは自らその名を裏切るかのようにBとTを暗に、そして時に明確に排除する「LGBT運動」にとって、同性婚は不可欠な目標としてその思想的、政治的な視界の中心的な位置を占めてきたと言えるだろう。しかしこの政治的傾向——米国で同性婚推進を掲げる大手団体がエイズ危機のあと1990年代半ばから頭角をあらわし、2013年には同性愛者に関する社会運動体として最も多くの資金を諸基金から受け取るようになっていたことに象徴される現在のこの政治的流行——には、たった20年の歴史しかない。
『現代思想』2015年10月号(本日9/28発売)に文章が掲載されました。
先月の頭に青土社より「LGBT特集」を組むとのことで原稿執筆依頼を受け、これまでこのブログなどで書いてきた同性婚関連の議論をまとめた文章を書きました。
内容に即したタイトルを真面目に考えてとりあえず仮に「排除と忘却に支えられたグロテスクな世間体政治としての米国主流『LGBT』運動と同性婚推進運動の欺瞞」としておいて、 Facebook でタイトルを書いたら「喧嘩売ってるね!」と言われたので、ビビってたんだけど青土社の人は全然タイトルに注文をつけず、気づいたらそのまま印刷されていました。でもさっき実物が届いて他の人の文章をパラパラと読んでみたら、タイトルは無難でも内容は私より喧嘩売ってる人もいたので、まぁいいよね。
以下、冒頭部分のみ公開します。
翻訳『同性婚の代償』(ティモシー・ステュワート-ウィンター)
米国全土での同性婚の権利を認めた最高裁判所決定は、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーのアメリカ人にとって喜ばしい瞬間をもたらした。私たちの平等な尊厳、そして異性愛カップルが享受するのと同じ法的保護を得る権利が認められたことは、公民権の歴史における画期的な出来事である。しかしこれはまた、第二次世界大戦後に始まった同性愛者の自由を求める運動にとって、最後の歌声になるかもしれない。
過去10年間にこの運動が得た二つの大きな勝利、つまりオープンに軍隊に務める権利と、婚姻する権利が実現したと同時に、女性の同一賃金や妊娠・出産に関する選択、住居や学校の分離状況、マイノリティに対する警察暴力、及び十分な賃金と、皆にとっての職と退職の保障といった、公民権の他の領域において、改善がストップしてしまったり、あるいは逆行してしまったということは、とても不運なことであった。
翻訳『結婚は私たちを決して自由にはしない』(ディーン・スペード、クレイグ・ウィルス)
近年、同性間の婚姻を認める州法が可決するたびに、同性間の婚姻の法的認知を肯定する裁判所判断が出されるたびに、政治家が同性間の婚姻を肯定的に語るたびに、革新を志向する("progressive")人々の多くは結婚を称揚してきた。一方同時に、多くのクィア活動家や学者は同性婚推進運動を厳しく批判してきた。結婚を擁護する者は時にこれらの批判があることを認め、このようなことを言う。「結婚は万人のためのものではないし、万能でもないけれど、それでも必要だ」と。
5/24対談イベント『わたしたちのピンクウォッシング』に出演します
24日(日)に東京のイベントで対談します。
対談相手は「フェミニズムとレズビアン・アートの会」のJanisさん。
テーマの「ピンクウォッシング」は、変な言い方だけど、LGBTに関する最先端の議論の1つ。「うちの国はLGBTに優しいよ」というアピールを国家がすることでウヤムヤにされる国家の悪事について、今もなおパレスチナ人を虐殺しながら「中東で唯一LGBTに優しい国」と自称するイスラエルの問題を通して、考える、というようなイベントです。
群馬県高崎市「群馬の森」に行き、日本に労務動員された朝鮮人を追悼する碑を見てきました
批判回避のためにありとあらゆるミソジニーを免罪しようとしている男が多い昨今、皆様いかがお過ごしでしょうか(←本文とは関係ない時候の挨拶です)。
群馬県高崎市にある「群馬の森」という県立公園には、「記憶 反省 そして友好」と刻まれた追悼碑があります。これは、かつて日本がその植民地政策によって日本国内の鉱山や工場に労務動員し、事故や過労で亡くなった朝鮮の人々を追悼する目的で建立された碑です。
「LGBT」フレンドリーなら何やってもいいのか?
昨年、大阪市淀川区が出した「LGBT支援宣言」がネットでも話題になった。
それ自体が悪いことではないとは思うものの、私は何となく不安を感じて、この区長の名前を検索してみた。そして見つけたのが、この論文(PDF)。これは、榊正文(さかき・まさふみ)淀川区長が区長に立候補する際の公募論文として提出したもので、大阪市のウェブサイトに掲載されているもの。
アムネスティ・インターナショナルのセックスワークに関する文書を日本語訳しました
この文章は、アムネスティ・インターナショナルからリークされ、インターネットにアップロードされている文書を、マサキチトセが日本語に翻訳したものです。
翻訳の質は非常に悪く、日本語の文法や慣習的な言い回しに適切に変換できていないところもあります。また、訳者の力不足で必ずしも意味が明確に読み取れない部分があり、「訳者注」をつける、あるいは英語のオリジナルのフレーズや単語を付記してある部分があります。
論文や、公開の文章等に引用することは控えてください。また、リークされた文書ですので、オリジナルが今後インターネットに残らない可能性もあります。更に、強い要求を受けた場合、この日本語訳をサーバから削除する可能性もあります。あらかじめご了承ください。
社会運動の優先順位——金明秀 さんへの返答として
「差別・ヘイトスピーチの定義付けと、それらに含まれない発言の暴力性について」 http://togetter.com/li/610794 にまとめられている冒頭のツイートに端を発して、金明秀さん @han_org が主張...