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翻訳『同性婚の隠された歴史』(ヤスミン・ネアー)

同性婚について、最高裁判所はいつでも、それこそ明日6月26日にでも、その判断を出すだろう。

主流のゲイ男性やレズビアン女性がそこらじゅうで、固唾を飲んで待っていると言っている。 Twitter と Facebook のどちらにおいても、みんながどうなるだろうと気を揉んでいる様子を書いている。

この見せかけだけの気の揉み方は、求婚者からのアプローチに驚いたふりをしてみせるビクトリア朝時代の典型的な女性の姿を思い起こさせる。「なんとまぁ、思いもしませんでした! 私が生きている間に同性婚が実現するなんて! まったく驚きました!」

翻訳『同性婚の代償』(ティモシー・ステュワート-ウィンター)

米国全土での同性婚の権利を認めた最高裁判所決定は、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーのアメリカ人にとって喜ばしい瞬間をもたらした。私たちの平等な尊厳、そして異性愛カップルが享受するのと同じ法的保護を得る権利が認められたことは、公民権の歴史における画期的な出来事である。しかしこれはまた、第二次世界大戦後に始まった同性愛者の自由を求める運動にとって、最後の歌声になるかもしれない。

過去10年間にこの運動が得た二つの大きな勝利、つまりオープンに軍隊に務める権利と、婚姻する権利が実現したと同時に、女性の同一賃金や妊娠・出産に関する選択、住居や学校の分離状況、マイノリティに対する警察暴力、及び十分な賃金と、皆にとっての職と退職の保障といった、公民権の他の領域において、改善がストップしてしまったり、あるいは逆行してしまったということは、とても不運なことであった。

翻訳『結婚は私たちを決して自由にはしない』(ディーン・スペード、クレイグ・ウィルス)

近年、同性間の婚姻を認める州法が可決するたびに、同性間の婚姻の法的認知を肯定する裁判所判断が出されるたびに、政治家が同性間の婚姻を肯定的に語るたびに、革新を志向する("progressive")人々の多くは結婚を称揚してきた。一方同時に、多くのクィア活動家や学者は同性婚推進運動を厳しく批判してきた。結婚を擁護する者は時にこれらの批判があることを認め、このようなことを言う。「結婚は万人のためのものではないし、万能でもないけれど、それでも必要だ」と。

標準体重ですらない女の自己肯定感はどの人形が教えてくれるのか

決して平均的でないプロポーションで、「女性はこうあるべき」「魅力的な女性はこういうものだ」という社会通念に寄与してきたバービー人形に対抗して、 Nickolay Lamm さんというアーティストが実際のアメリカの十代女性の平均的なプロポーションを再現して作ったのが、ラミリー人形。私も「いいね」と思っていたし、今でも一定の効果はあると思うのだけれど、ラミリー人形が全く問題がないとは言えないような気がしてきたので、ここに書いておく。

「LGBT」フレンドリーなら何やってもいいのか?

昨年、大阪市淀川区が出した「LGBT支援宣言」がネットでも話題になった。

それ自体が悪いことではないとは思うものの、私は何となく不安を感じて、この区長の名前を検索してみた。そして見つけたのが、この論文(PDF)。これは、榊正文(さかき・まさふみ)淀川区長が区長に立候補する際の公募論文として提出したもので、大阪市のウェブサイトに掲載されているもの。

【翻訳】「ENDA」(雇用差別禁止法)に「T」を入れること:私はトランスジェンダーの女性で、雇用を保障される権利がある

Parker Marrie Molloy(パーカー・マリイ・モロイ)が2013年11月8日に政治系ニュースサイトTPMに寄せた文章を、大雑把にだが翻訳した。内容の細かいところは私と全然意見が違うのだが、社会運動における「現実主義」が必ずしも短期的効果を持たないという事例として重要だと思い、ここに載せる。

まとめ「反差別運動への批判と、反差別へのコミットをめぐって」

差別撤廃 東京大行進というイベントについて、様々な議論がツイッター上を中心に行われていますが、私はイベントに参加しませんでした。その経緯も含め、私のこのイベントについての現在のスタンスをツイート連投したところ、 Togetter 上にまとめてくださった方がいます。

映画評を書きました 「R/EVOLVE-結婚と平等とピンクマネー」

この原稿を依頼され、どんな映画なのか調べてみると、 Lil'Snoopy Fujikawa が出演しているという。私と Lil'Snoopy との最初の出会いは、映画の舞台でもあるシアトルだった。シアトルに用事があり、友人と一緒に自宅に泊めてもらったのだ。とても明るく、でも思慮深く優しい、素敵な人である。ぜひ映画を見てみたいと思い、原稿依頼を受けることにした。本編を見てみると、Lil'Snoopy 演じるラクーンは正に Lil'Snoopy にしか演じられないような素晴らしいキャラクターで、画面に Lil'Snoopy が映るたびに映画内世界がパッと明るくなり、見ているこちらまで楽しくなってしまう。観客のみなさんにも、主人公リンカーンと一緒にラクーンとの出会いを楽しんでもらえたらと思う——

同性婚実現のその先に向けて

おそかれはやかれ、日本においても同性婚の合法化は実現するだろう。それが のぞむべきゴールなのか、むかうべき方向なのかということについては、賛否がわかれるとおもう。「賛」のなかにも「否」のなかにも、さまざまな意見があることだろう。
 たとえばわたしは「否」の立場をとっているが、それは別に異性と結婚したいとおもうひとと同性と結婚したいひとのあいだに不平等があってもいいと思っているからではない。しかしいずれにしても、同性婚は法律でみとめられるようになるだろう。どんなにわたしが反対しようと。

であれば、同性婚の実現に反対の立場をとっているわたしがしなければいけないのは、もちろん反対意見をことあるごとに表明していくことでもあるいっぽうで、同性婚が実現してしまったときに なにがおこるのかについて、きちんとかんがえ、共有し、それらがおこるまえに どのような準備が必要なのかをかんがえ、その準備に ちからを そそぐことだろうとおもう。

米国最高裁判所の決議に戸惑う有色人種のクィアの存在

DOMA(Defense of Marriage Act、「結婚保護法」)と呼ばれる米国連邦法(連邦法とは、州法ではなく米国全体の法律)が、「違憲である」と、今日(25日)米国最高裁判所で決定されました。

これによって、これまで国全体として婚姻関係にあるカップルに与えられる権利(配偶者が配偶者としてビザ申請する権利とか)は異性婚カップルのみに与えられていたけれど、同性婚が認められている州で結婚した同性婚カップルにも与えられるようになります。同時に、州をまたいで「婚姻関係」を認められるようにも、なるようです。

ただ、同性婚がどの州でもできるようになったというわけではないですし、ビザ申請に関しても詳しいことはわかっていません。でもいずれにしても、これによって助かるひともたくさんいるでしょう。

同性婚に関しては、いくつかの点で反対意見がLGBTQの中からも出ています。