お詫びとご報告

 私は、元交際相手であるA氏に対し、プライバシーおよび身体自律性の尊重に欠く行為をしてしまいました。
 具体的には、A氏に対する一方的な疑念など極めて個人的な感情から、彼のスマートフォンおよびタブレット端末を開き、いくつかの情報を目視しました。さらに彼の使用している2つのSNS(以下、SNS1、SNS2)アカウントへのログインを試み、そのうちSNS1に実際にログインしました。
 後日、プライバシー侵害を行ったことを後悔しLINEにてA氏に説明し謝罪したところ、その後の音声通話での話し合いにおいて、ベッドにて性的な行為を拒否した彼の意思を軽んじて臀部に手を伸ばし触れた行為が、尊重に欠けるものであったという認識を告げられ、その通りであると思い、その点に関しても謝罪しました。
 自身の浅はかな行動によってA氏を困惑させ、傷つけてしまったこと、深く反省しております。
 A氏とは現段階で和解条件の合意に至っておりますが、改めてこの場でもA氏に対し謝罪申し上げます。

 プライバシー侵害をした時の私の精神状態を振り返ると、逼迫し、極めて感情的で、一方的な認知に偏っている状態でした。そうした状態に陥ると自分はこのような行為に至ることがあるという事実を強く自覚し、これからの人生でそれをどう避け、抗っていくかを考え続けます。
 また身体自律性についても、理念としては理解していながら、自分自身のプライベートな生活においては判断力が未熟であったことを重く受けとめたいと思います。

 なおA氏のプライベートな情報のうち、今回私がA氏の同意なく目視・認識したものは、(1)A氏が使用しているSNS2のアプリアイコン、(2)SNS2におけるA氏のプロフィール画面、および(3)A氏の使用するメールアドレスとパスワードの組み合わせ1点です。これらいずれに関しても、現在私は一切の情報を保持しておりません。
 また、SNS1にログインした際も、ログインできてしまったことに驚いてすぐにログアウトしたため、A氏と第三者のやりとりは全く見ておりません。これまでにA氏とメッセージ機能などにおいてやりとりをしたことのある皆様におかれましては、そのやりとりがなされたプラットフォームにかかわらず、プライバシー侵害のご心配はなされませんようお願い申し上げます。

 今回の件につきまして、皆様には、A氏、あるいはA氏と思われる人物に対し、A氏個人を特定するような詮索などされませんようお願い申し上げます。私からは、この文書に書いた範囲の情報を除き、今後この件に関して公に発信することはありません。
 また、A氏に関する二次加害的な発言は、彼に向けたものであるか否か、彼がそれを見ることができるか否かにかかわらず、一切お控えくださいますよう重ねてお願い申し上げます。

 今後の私の執筆および講演活動に関しては、A氏との間で、私が何らかの声明文を公表した上で継続するという条件に合意いたしました。この文書がそれにあたります。
 何をしたところで私の責任が本当の意味で清算されるわけではありませんが、そうしたA氏の寛大な申し出に感謝し、深い反省の念とともに、「自分もまた加害者になり得るのだ」という認識を一層強め活動をしていくことで、継続してA氏に対する償いを果たしていきたいと考えております。

2022年9月30日
マサキチトセ

追記

 A氏ご本人より、上記の私の行動が交際中のできごとであるかのような解釈の余地があるというご指摘を受けました。文章を読み直したところ、確かにそのような解釈も可能である書き方になっていました。
 私の行動の動機や心理的背景にあった疑念は、交際関係の状況とはあまり関係のない性質のものです。また、当然ながら、交際中であったか否かによって私の行動の評価が変わってしまうことはあってはならないことです(これに関してはA氏も同様のお考えをお持ちであるとのことです)。
 しかし、A氏ご本人から上記のような解釈の余地があることは望まないと伝えられましたので、ここに、そのような事実はないということを書き添えます。

2022年10月19日
マサキチトセ