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トランス女性はフェミサイドの標的になるのか

簡潔に言えば、「なる」というのが私の見解です。以下、それについて私が書いたツイートと、それに対して寄せられたご意見に対する応答をシェアします。ちなみにこの応答文はツイッターに画像で載せたものと同じです。ここに転載する理由...

ジェンダーが無くなればトランスジェンダーも無くなるのか

 前回に引き続き、トランスジェンダーの話題に触れたい。
 ツイッターを芋づる式にいろいろ見ていたら、「ジェンダーが無くなれば、トランスジェンダーというあり方も無くなる」という意見が目に入ってきたからだ。いわく、ジェンダーの解体こそが目指されるべきなのだから、トランス女性やトランス男性のようにジェンダーというシステムに裏付けされた女性性や男性性という概念を前提とする存在はジェンダーの解体に逆行していて問題だ、という主張だ。
 これに同調する別の人のツイートには「性別による差別があり、それをジェンダーと呼んでいるのだ」とあった。

 まず「ジェンダー」が何を意味しているのか、私の解釈——社会学やカルチュラル・スタディーズ、女性学、哲学などの分野ではある程度支持されている解釈だと私が思うもの(※)——を手短に説明したい。

安全なトイレの設計と運用に関する、男性が支払ってこなかったツケ(2021.6訂正あり)

 ツイッターではフォローをゼロにしたとはいえ、トランスジェンダー、特にトランス女性を取り巻く現状については最新の情報をできるだけ把握しておきたいと思って、キーワード検索や ID 検索をしてチラホラと関連ツイートを読んではいる。
 その中で、トランスジェンダーの人々の利用を想定しながら現実的にどういう具体的なトイレの設計や運用が望ましいのかを語っている人を見つけた。これについて、こういう議論こそ必要なのだと評価している意見も見た。

「トランスコリアン」が安易な3つの理由と1つの原因

「トランスコリアンには怒るのに、トランス女性にはどうして怒らないのか」
 そういった声が「TERF」(トランス排除的ラディカル・フェミニスト)たちから上がっている。

 トランスコリアンとは、あるツイッター利用者が作った言葉だ。曰く、Kポップなどを愛好する日本人が「今日から自分もコリアン」と言いだしたら問題があるだろうに、どうしてピンクのスカートを履きたがる男が「今日から自分も女」と言いだしたら女性として認めなければならないのだ、という主張らしい。
 一見筋が通っているように見えるけど、あまりに多くの前提が共有されていなくて、頭を抱えてしまった。

YouTube 発信のススメ&覚えておきたい13のコツ

こんにちは、ライターのマサキチトセです。2015年10月に YouTube チャンネルを始めました。社会問題を絡めて英会話を教える動画や、物申す系の動画を出しています。 のんびりのんびりと更新してきて...

1979年。日本でさだまさしが「関白宣言」を歌ってた頃、アメリカで Gloria Gaynor は「そのドアから出て行け」と歌っていた。

Gloria Gaynor ってご存知ですか皆さん。グロリア・ゲイナーと読みます。こんな人です↓ かっこいいねーーーー! アメリカでは超人気曲で、チャート1位まで取ってます。今でも、若者にも知られている曲。特にゲイ男性に...

あなたがたは見分けがつかないから

英語に "You fit the description" という表現がある。日本語にすると「あなたがそのように見えたから」。スラング等の意味を少し面白おかしく解説する投稿型辞書サイト Urban Dictionary によると、"[p]hrase that police use to justify arresting any African American in any situation" つまり「状況にかかわらずアフリカ系アメリカ人(黒人アメリカ人)を逮捕することを正当化するときに警察が使うフレーズ」である。

私はかつて在籍したシカゴ大学で、このフレーズをタイトルに冠したイベントに参加した。2011年のことだ。多文化共生や LGBTQ を扱うセンターで、そこに出入りしていた有色人種の学生が中心となって開催したイベントだった。

このイベントの Facebook ページには、過去18ヶ月のあいだに大学警察が逮捕した人数のうち50%以上が黒人あるいはラティーノ・ラティーナだったとあった。「大学全体では10.4%しかいない黒人・ラティーナ・ラティーノの学生がこれだけ高い被逮捕率になるのは変だよね?」というのが、イベントの Facebook ページにも書いてある。

職場のセクハラ対応はどうあるべきか

私は、某企業で労務管理の仕事をしています。
労務管理とは、「労働条件・就業規則等の管理、勤怠の管理、給与・賞与の計算 等」のことです。

つまり、従業員と会社の契約内容を明確にしたり、それがちゃんと現実に反映されているかを確認したり、問題があったら対応したりといった仕事です。

大きい会社だと、労働条件通知書を作ることを専門にやってる人がいたりすると思います。でも私の働いている会社は従業員こそ多いものの規模が小さいので、私を含めほんの数人で労務管理や経理、人事など事務仕事をこなしています。

そんな状況ですから、従業員同士でケンカが起きたり、セクハラが起きたり、管理者への不満が爆発したりという事態にも、その数人で対応することがほとんどです。

政府から色々なガイドラインが出されていたり、就業規則に関して新たな項目を増やすよう通達があったりしますので、基礎的な方針はどこの会社も一緒だと思います。でも実際にトラブル解決を試みてきたなかで私たちが気づいたこと、失敗したこと、工夫したことなどがたくさんあります。

逃げないDV被害者はバカなのか

暴力の被害に遭っている/遭っていた女性が、単に無力だったり無知だったりして何もアクションが起こせなかったり、受動的な実践(泣き寝入りとか暴力への感覚麻痺とか認知の歪みとか)しかやっていないという偏見とは異なり、日々様々な...

杉田水脈の差別発言と、セクマイの自己肯定感 #ThisIsPRIDE

LGBTやクィア、性的マイノリティについてひどい物言いをするのはなにも政治家や著名人だけじゃなくて、学校の先生から親戚のおじちゃん、近所のうなぎ屋の店主などから私たちは日常的に嫌なことを聞かされている。

そうやって聞かされたことは少しずつ胸の底に沈み重なって、ちょうど川の底がよどんでいるのと同じように、普段は底のほうでおとなしくしているけれど、小さな石でもひょいと投げ入れればいとも簡単にふわぁと広がって、しばらくのあいだ私たちの心が晴れることはない。

あぁそういえば、私みたいな人間はおかしいんだった。

あぁそういえば、私みたいな人間は迷惑なんだった。

あぁそういえば、私みたいな人間は親不孝なんだった。