世の中は”息苦しく”なっている? TV・CMの炎上をめぐって(横浜市男女共同参画推進協会『フォーラム通信』掲載インタビュー)

TV・CMの世界では、性に関する表現をめぐって炎上が相次いでいます。「性差別的だ」と抗議が寄せられる一方、「ネタを分かっていない」「この程度で抗議するなんて、世の中は息苦しくなっている」という声もあります。
メディアが炎上するとき、そこではどんな議論が交わされているのでしょう。評論家のマサキチトセさんにうかがいました。

#下品だからダメ?

--まずは昨年話題になったCMをいっしょに見ていただけますか。

これ、商品(ビール)を男性器に見立てていると思うのですが、男性にそれを買わせて飲ませようというのは、ある意味すごいテクニックじゃ…。

--!

それはともあれ、かなり露骨に女性の演者に性的な意味合いのある演技をさせていますね。女性に性的なものを押し付けるジェンダー観がこれでもかと表現されており、不愉快ではあります。ただ、性的だから批判されるべきかというとそれは違うと思います。性は人間の一部分であり、あたかも性を人間の理性的な社会から切り離せるかのように考えるのは誤りです。

--下品だ、という批判も多くあったようです。

個人が不快に思う気持ちはあるでしょうが、批判として「下品だ」というのはまずい手だと思います。近代社会においては、家庭で、夫婦で、一対一で、夜にひっそりと…といった性行為がスタンダードとされ、そこから離れるほどに下品とみなされました。そして、性の下品・下劣とされる面は、女性(特に貧困層の女性)や、性的マイノリティーに押し付けられてきました。「下品だ」と言うだけでは、そうした差別の構造を強化してしまう危うさがあるのです。

このCMの少し後に、地方自治体の観光PR動画が話題になりました。色白でぽっちゃりとした