16歳からホームページを作って文章を書いてきました。原稿のご依頼を受けて雑誌やウェブメディアに文章を書く仕事をしている今も、ときどき思ったことや感じたこと、考えたことなどをこうして書いています。

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アーカイブ(〜2017年7月)

ノーモア

「誠意がある」「敬意がある」ということの大切さについて最近はよく考えていて、というのもどうにもどうやら日本には、自分が持ってないマイノリティ属性を持ってる相手を前に物怖じしてしまうというか、「まちがったことを言ってはいけない」「傷つけてはいけない」という強い自己強迫に陥る人というのがたくさんいるらしいということを、まがりなりにも差別問題について講演なんかをやっていると痛感させられているからなんだけれど、いや、もちろんほかの国にもそういう人はいるに決まっていて、アメリカでも一定の期間を上品な、というか上品自認の白人に囲まれて過ごしているとそんな空気が蔓延してるのを感じはする。

でもまあ、全体の傾向として、というもやっとした言いかたになるけれど、そもそもが「一歩でも踏み外したらならず者」みたいなハードモードをプレイさせられている日本の人たち(people in Japan(≠ Japanese people))にとって、まちがうことへの恐怖が一層強いのは自然なことなのだろうと思う。16歳まで日本にいてアラサーになって戻ってきた私にも、そういう部分がないわけじゃないし。

なんでこんなことを書いているかというと、時々思い出したように昔住んでいた街々をストリートビューで巡るという郷愁バーチャル旅行をするのが好きで、さっきもかつて週1くらいで利用してたシカゴの63番&南カッテージグローヴの交差点にある駅をストリートビューしに行ったんだけど、そしたらしょっちゅう買い物していた駅すぐ横のスーパーマーケットが完全に更地にされたのち鉄骨が組まれている様子が目に入ったからです。

「脱テンプレ」の魅力

何か新しいことを言わなければいけない、まだ誰も言ってないことを言わないといけない、心の中でくすぶっている言葉にできない思いを抱えたどこかの誰かが「そう! それだ!」って思うようなことを書かなければいけない、そんな風に思って文章を書いてきた気がする。女人禁制なんて女性差別だよねとか、同性愛者を欠陥がある生物と言うのは同性愛者差別だよねとか、バリアフリーって大事だよねとか、そういうことって、あまりにも当然に思えて、私が言わなくても絶対に誰かが先に言ってくれるって思ってしまう。そうして、何も言わずにやり過ごしてしまうことがある。いや、誰かの言葉をツイッターでリツイートしたりくらいはするかもしれない。でも、その程度だ。

普段SNSなどで差別に反対する人に囲まれていると、あたかもそこで共有されている感覚が社会の常識のように思えてくる。誰しもときには失敗するものだから、差別的なことを言われたり言ってしまうこともあるけれど、その裏にあるのは明確な悪意ではなく不注意だったり不勉強だろうなって思える環境。もちろん私たちはSNSを離れてファミレスでご飯を食べたり、学校で授業を受けたり、やりたくない仕事をこなしたり、駅の待合室でボーっとしながら少し離れたおじさん二人の会話を聞いたりもする。でもなんだかそういうところで聞く差別的な言葉は過去の遺物の断末魔のような気がして、「まだそんなこと言ってる人たちっているんだな」「あんな人と職場が一緒だったら嫌だな」「社会はどんどん良くなっているんだから、放っておいて絶滅を待ってればいいや」なんて思ってしまったりする。差別は悪いという前提が共有された社会においても、そんなアンラッキーな出会いだってまだあるよね、というふうに。

だから、差別について何か発信するとき、凡庸なことは言いたくないというか、誰かに「その視点はなかった!」と言われたいというくだらない欲望に火が付いてしまうときがある。そして、本来ならちゃんと反対すべきことに反対することを、怠ってしまう。

「LGBTではないフツーのひと」に考えて欲しいと思う10のこと(2018年版)

海外の路上(プライドパレード開催中)でプラカードを持っているマサキ。プラカードには「IMMIGRANTS ≠ YOUR HOMOPHOBIC OTHER」と書いてある。

「LGBTではないフツーのひと」って、誰だろう?
「フツー」って、どんなことを指すんだろう。

そんなことを思いつつも、でも、「LGBT」と「フツーのひと」は分けて考えられることが多くて、日常的にもやっぱり、自分のことを「自分はLGBTではないフツーのひとだ」と思っている人はたくさんいるっていう実感があります。

この文章は、そんな人たちへのお手紙のようなものだと思ってください。

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